お酒好きの妖怪・酒吞童子(6)
酒吞童子は頼光たちが吃驚していることも知らずに話を続けます。
「わしも本当は都に住みたいと思っている。しかしその頼光というやつと、頼光の配下には邪魔くさい奴がいっぱいいるのだ。中でも渡辺綱というやつに、和紙の相棒の茨木童子は腕を斬られてしまった。そいつらのせいでわしは都にいけないのだ」
そして酒吞童子は酔った目を一行に向け、
「ところで気になっていたのだが、お前たちは頼光たちに似ている気がするのだが・・・底の男など、特に渡辺綱に良く似ている」
と渡辺の方を見ました。しかし頼光の機転でうまくごまかし、疑いを晴らしたら酒吞童子にお酒をどんどん勧めていきました。そしてさすがの酒吞童子も、神便鬼酒を飲んでいくにつれて、どんどんこの幻のお酒の毒がまわっていきました。やがて酒吞童子は、
「さて、わしは少し眠くなってきたので奥で寝てくるとする。気を使わずにゆっくりとくつろいでいってくれ」
と上機嫌で奥へとはいっていきました。
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