発酵って何?(2)
では酸素がある状態ではどうなるのでしょうか。酵母は、なにもわざわざ好き好んで無酸素状態でアルコール発酵をしているのではありません。酸素のないところで仕方なくアルコール発酵を行った結果、アルコールが得られるというだけです。もし酸素のあるところでは、アルコールをほとんど作らずに効率よくエネルギーを得ることができます。
たとえばブドウ糖1gを例にすると、酸素のない状態で行われるアルコール発酵では80calしか得られませんが、酸素のあるところでは1460calものエネルギーを得られるのです。この燃焼効率を見れば、アルコールを作るために、酵母菌は非常に気の毒な環境かで生活することを強いられているということになります。
微生物にはどこか無生物的なものを感じがちですが、よく見ると核があり遺伝子をもっている立派な生物です。きちんと生命活動も行いますし、生きています。その生物を過酷な環境かで働かせているのですから、お酒を飲む時には少しだけ酵母に感謝するようにしましょう。
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