お酒と微生物(2)
昔のお酒は非常に原始的な方法で発酵させていました。
そもそもお酒の発見は、熟しきった果実が地面に落ち、野生の酵母がそこへついて発酵を行い、それを食べた人がなんとなく気持ちよくなったことから、果実酒が作られたのです。ですから昔のワイン造りは、ぶどうを大きな桶にいれ、それを女性が踏んづけて潰し、そこに空気中を浮遊している野生の酵母が働いて発酵するという作られ方をしていたのです。
では穀物から作られるお酒はどうしていたのでしょうか。穀物は甘くないのに不思議ですよね。
これは生娘が口の中で穀物をかんで吐き出し、それが発酵していたのです。つまり、穀物を口の中でかんだとき、穀物のデンプンに唾液に含まれるアミラーゼという酵素が働き、糖化という現象が起きます。これによって穀物が糖分をもち、それに野生の酵母が働いてお酒が作られていました。
昔は巫女を務めるのは生娘であったように、神様にも捧げるお酒を噛む役割はすべて生娘の仕事でした。
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