お酒を健康に役立てる(3)薬酒の歴史
薬酒は世界中に様々なものがありますが、中でも有名なのは生薬・漢方の本場である中国のものでしょう。中国古代の歴史書に「史記」と言うものがあり、この本には古代中国の名士たちの逸話が数多く掲載されています。その中の一つに戦国時代の名医である扁鵲という人物の逸話がありますが、その医者は治療の時に薬酒を用いたと書かれています。このことから、古代中国においては非常に古い時代から薬酒が用いられていたことが分かります。
世界に目を向ければ、西洋ではローマ時代の名医であるディオスコリデスが57種類の薬酒に関する著述を残しているため、西洋でもかなり古い時代から存在していたことが分かります。
薬酒が広まったのは中世になってからで、修道院の中で薬酒が造られ飲まれました。当時の修道者たちにとってはいいお酒を造ることができると言うのは誇るべきことであったらしく、自らの滋養強壮と信者への福祉を目的として薬酒を作ったのです。
18世紀になるとイタリアでワインに薬草を加えたベルモットが生まれ、フランスではペルノが造られて食前酒というものが浸透していきました。食前酒には食欲を増進させる効果があり、また食事中の会話を弾ませると言う効果もあります。
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