赤ワインの醸造法
赤ワインと白ワインでは醸造法が多少異なるため、別個に見てみましょう。赤ワインは果皮も一緒に漬けこむため赤黒い色になり、独特の渋みは皮から抽出されたタンニンに依るものです。
まず、ブドウの果実を茎から外し、これを皮を破く程度に潰します。つぶしたブドウはタンクに入れ、ここに酵母を加えることによって発酵させます。発酵期間は約1週間であり、温度は28~30度で発酵させます。このとき果実から色素やタンニンが抽出され、渋みやコクが生まれます。すべての糖分が発酵に使われるまで放置するため、赤ワインには甘味がなく辛口が一般的です。
発酵が終わったらタンクの底からワインを抜き、残った皮や果実も搾ってワインを取り出します。このワインを放置しておくと、しばらくして不純物がすべて沈殿します。この沈殿物のことはオリといい、これも取り除きます。その後数年の熟成期間を経たものは瓶詰をされ、コルクで栓がされ、出荷されることとなります。
ちなみに果皮から抽出されるタンニンはポリフェノールの一種であり、抗ガン作用や抗酸化作用が知られています。そのため赤ワインは色々なお酒の中でも特に体に良いお酒として注目を集めています。
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