タスト・ド・パンとは
ソムリエの格好を見ると、首から灰皿のような容器をぶら下げているのを見たことがあるかと思います。この容器は「ダスト・ド・パン」といい、今でこそソムリエの装飾品のような扱いとなっていますが、元はフランスのブルゴーニュ地方の酒蔵で利き酒のために用いられていた容器なのです。写真によってはタスト・ド・パンをぶら下げていないソムリエも見受けられますが、これをぶら下げた姿こそが正装となります。
よくみると、この容器には凹凸があります。これはなぜかと言うと、ワインをこのくぼみに注いで光を当てると、ワインの状態がよくわかるからです。まだ照明器具が発達していなかった頃には、薄暗い酒蔵のなかでワインの状態を知るために、ろうそくの火を頼りにしてチェックする必要がありました。そんなとき、タスト・ド・パンが実に役立ったのです。
現代では照明が進歩したため、タスト・ド・パンが用いられることはなくなり、ソムリエの証、飾りとして首から下げるものとなりました。現代でワインの状態をチェックするときには、ワインをグラスに注いでチェックしています。
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