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日本人と酒 17

公開日: : 最終更新日:2014/12/24 お酒, 酒の歴史

筆者が神社の直会に参加すると、今も昵懇にしているある人から盛んに「献酬」が行われました。今でこそ献酬は少なくなりましたし、若い人の中にはその存在を知らない人も少なくないでしょう。献酬は礼儀として行われるも杯のやり取りであり、同じ杯で酒を飲み分けるものです。以前も触れたとおり、同じものを同じ器で飲み食いすると言うことに、神道は大きな意義を見出していたのです。

献酬は、まず目下の者が目上の者に杯を渡し、酒を注ぎます。これを献杯といい、まずは目上の者に十分に酒を飲んでもらうことです。そのあと「流れを頂戴する」ということで、目上の者から目下の者へと杯が流され、酒を注いでもらい、飲むのです。そして飲み干すと、杯を返します。このやり取りが一度から数度行われることもあります。

しかし現代ではこの意義が忘れられ、大した意味はない無理強いのしきたりと見なされたり、不衛生だと言われたり、各々が自由に飲んだほうが勝手気ままでよいなどとする考えが広がり、献酬は急速に廃れました。

こうして西洋流の浅い合理主義のもとに、日本民族の民俗行事が捨て去られていることは、もう少し問題視されてもよいと思います。深い部分から酒をとらえ、古き良きものは復活させていく。これは酒を愛する者の責務だと思います。

 


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