*

日本人と酒 15

公開日: : 最終更新日:2014/12/24 お酒, 酒の歴史

このように、日本では独酌というものが行われるようになったのはごく最近のことなのです。もっとも、大きな酒宴の席では、下座の者にはなかなか杯が回ってこないため、「銘々杯」という小さなお猪口を渡しておいて、大杯が回ってくるまではそれでちびちびと飲んでいるということは行われていました。これが独酌に進化していったのではないかとする説もあります。

しかし、長い間独酌という風習は生まれず、むしろいやしいこととして賤しめられてきたのです。なぜならば、年に数回の祭りの時の晴れの酒盛りの席に出られないような身分の低い、いやしいとされる階層の人々がやむなく独酌をしていたことに依ります。

お金のない人が居酒屋の店先でたったまま、または少し腰掛けて塩をなめながら冷酒を一杯きゅっと飲むと言う行為をカクウチ、デハイ、テッパツなどといい、今でもカクウチなどという言葉は筆者は普通に用いますが、これは本来賤しむ気持ちを帯びたかなしい言葉であったのです。

つまり、日本で独酌という風習が長い間生まれなかったのは、神道思想による酒の解釈が一般庶民にまで浸透していたからだとも考えられるのです。日本人のもとつ命に帰って行くためには、やはり神道を日常に照らして考えるのが最も容易であり、そのような考えのもとに酒を飲むのは非常によいことと言えます。


sponsored link

関連記事

no image

世界中でのまれるワイン(3)

ワインは製法によって名前が変わります。スティルワイン(非発泡性ワイン)、スパークリングワイン(発泡性

記事を読む

no image

お酒好きの妖怪・酒吞童子(5)

頼光の豪快な飲みっぷりと食いっぷりに感心した酒吞童子は 「どうだ、おいしいだろう」 と言

記事を読む

no image

お酒を健康に役立てる(3)薬酒の歴史

薬酒は世界中に様々なものがありますが、中でも有名なのは生薬・漢方の本場である中国のものでしょう。中国

記事を読む

no image

飲みニケーションのすすめ(2)

最近の若者はお酒をあまり飲まなくなってしまったというイメージがあります。仕事の後に飲み会に誘っても「

記事を読む

no image

芋焼酎の原料

焼酎にはたくさんの種類があります。麦焼酎、米焼酎、蕎麦焼酎、芋焼酎、黒糖焼酎・・・ 中でも芋焼

記事を読む

no image

世界中のビールのおつまみ(3)

・台湾・・・五香黒胡椒毛豆 台湾と言えば立ち並ぶ屋台が印象的です。台湾のビールはアルコール度数

記事を読む

no image

世界の宗教とお酒(1)

以前、日本人とお酒の話を連載した際に、日本の神道ではお酒が好ましいものとされていると話しました、では

記事を読む

no image

ワインに使われるブドウの品種

ブドウには様々な品種がありますが、原産はカスピ海と黒海に挟まれたコーカサス地方です。これは現在のグル

記事を読む

no image

日本酒のつくり方(2)

精米後の米は水で洗い、蒸し、これに麹をふりかけて麹菌を増やします。この工程を製麹といいます。このあと

記事を読む

no image

日本酒のラベルの見方(2)

2、精米歩合 これは、原料米がどれくらい精米されたものであるかを示すものです。精米歩合が低く、

記事を読む

  • 2018年6月
    « 7月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑