日本人と酒 14
古代の酒盛りは神聖なものでしたが、それは時代とともに変わってきました。それは酒の醸造技術が進歩し、それに伴って人々の生活が変化したことに依ります。戦国時代の末期から江戸時代の初期にかけて大きな変化が起こっています。
酒の醸造技術が進歩して酒が簡単に手に入るようになると、それまでは濁酒であったものが清酒になり、自家製のどぶろくが専門業者のものを飲むようになりました。一般庶民の経済生活も少しずつ豊かになり、店先で酒を飲ませる居酒屋が普及していきました。
同時に、本来はお茶だけを飲ませていたお茶屋のメニューに「お茶」の名目で酒を飲ませる店ができ、お酌をする女を置いて小料理屋化していきました。茶屋酒という言葉ができたのもこのことからです。
金を持っている者はお茶屋の部屋に上がり込んで女のお酌を相手にして遊びとしての酒を飲む。金をあまり持っていないものは居酒屋の店先でカクウチなどといって、塩をなめながら升についでもらった冷酒をグッとのんで家に帰るという風習が生まれました。
酒屋で酒を買って家で一人でのむというのもこの時代に初めて生まれました。こうして人々は今日の疲れを取り、明日の心身の活力を養うようになったのです。
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