日本人と酒 3
さらに言うならば、スサノオノミコトはヤマタノオロチを退治した後に、その尻尾を切り裂いて三種の神器の一つである草薙の剣を取り出します。神代から人代に代わってからは、スサノオノミコトの化身ともいわれるヤマトタケルノミコトが草薙の剣を受け継ぎ、その時代におけるヤマタノオロチとも言われる蝦夷を討伐したことは、古事記を知る人ならばわかると思います。
このことをただの物語としてではなく、より深い点において理解することが大切です。つまり、スサノオノミコトが酒によって平らげたヤマタノオロチの尻尾から出てきた剣が、後世再び活躍し、今でも三種の神器として祀られているということです。三種の神器は御皇室の象徴的なものであり、御皇室は日本民族全体の象徴であることを考えると、日本人と酒というものが、いかに切っても切れない関係にあるかということが分かると思います。
したがって、日本人にとって酒は大変貴重で神聖なものと考えられています。殊に神道においてそうです。
神道での神饌(お供え物)は、尊いものから順番に並べるならば酒、水、米、塩、魚、干物、野菜、果物となります。酒は神話の中から見ても非常に重要なものであるほか、水と米の力を合わせ持ったものとしても尊ばれているのです。
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